土の上を歩きたい、田舎の風景を見たいと出かけました。
市のコミニュティーバスを乗り継ぎ、1時間半ほどの距離を同じ市内とは言え、普段は縁のない場所を込み入ったバス路線で、1時間に一本という田舎廻りのバスに乗りました。
頻繁に出るバスを、当然のように利用している私には不便この上もありませんが、途中から通院や買い物のために杖を突きながら乗る高齢者には、必要欠くべからざる交通手段になっています。
知らない場所をゆっくり走るバスの中から、まだ初秋とも言えない風景を見ながら「浄見寺前」で降りました。
浄見寺は、ドラマなどでお馴染みの大岡越前守忠相の墓所です。
毎年4月には市を挙げて、越前まつりが賑々しく行われるのですが、普段は忘れられていることが多く、ひっそりとしています。
30年ぶりで訪れた寺は、きれいに手入れをされています。
広い敷地内に市重要文化財の古民家和田家があります。
月曜日で閉館されていましたが、季節毎にそれぞれの行事が行われています。10月には月見の宴が行われることでしょう。
特別にどうと言うことのない田舎の風景ですが、普段コンクリートの中で生活していますと、農家の庭隅に咲く花々や空き地のススキさえも新鮮で、思わず足を止めて眺めてしまいます。
一つ物足りない思いのまま、コンクリートの中へ戻ってきました。