白鳥はかなしからずや

午前3時、ラジオ深夜便。

藤山一郎、松田トシが圧倒的な歌唱力で

若山牧水を歌い上げている。

 白鳥は 悲しからずや
 空のあお 海のあおにも
 そまずただよう

 いざゆかん ゆきてまだみぬ
 山をみん このさびしさに
 君はたうるや

 幾山河 越えさりゆかば
 さびしさの はてなんくにぞ
 今日も旅ゆく


昭和20年代後半、教科書も満足になかったころ、

転校生の私は教科書が揃わなくて困っていた。

ちょうど近所に先輩がいて、

お下がりを使わせてもらったことがあった。

卒業後は音沙汰なしになっていたのだが、

先月、横浜に住むその先輩が亡くなったと風の便りが入った。


五十数年も前の話しながら、何くれとなくお世話になったことが忘れられず

一度お墓参りをさせてもらいたいと探したところ、何と我が家と同じ公園墓地だった。


「白鳥の歌」はその人から通学の行き帰りに教わって覚えた歌だった。

お墓詣りをしたその夜(正確には翌日)に聞くラジオの歌は心に沁みて、

Mさんが訪ねてきてくれたのだと目頭が熱くなる。

小柄で優しく静かな人だった。。。。


公園墓地の隅に今年初めて十月さくらを見た。
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竜胆が一輪。 残り花の萩も寂しく咲いている。
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淋し気な花ばかりが目立ったのは季節柄だからなのか。


書店へ立ち寄ると来年のカレンダーがずらりと並んでいる。

家のカレンダーも後一枚を残すにのみになった。
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バス停にイチョウの葉がはらはらと散る。
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by slowlifek | 2012-11-01 15:17 | 言葉 | Comments(16)
Commented by EPOM at 2012-11-01 18:17 x
この歌うたえる人いるかしら?
先生が仰いました 一番前の席の静かな子が手を上げて
歌い出しました 涙ぐむ子もいました
松風さん いろんな思いがありますねぇ。
Commented by 松風 at 2012-11-01 19:17 x
EPOMさん、
私の年代の人なら大抵は歌えると思いますが、
今の人には解らないでしょうね。
若山喜志子さんが同郷の歌人で、
牧水のお話を聞いたことがありました。

悲喜こもごも、思うことが年々多くなります。
Commented by hohsi at 2012-11-01 21:05
松風 さん  懐かしく詩のくだりを繰り返し読んでいます、
最後の「幾山河 越え去り行かば~ 」 なぜか好きな部分です、
私も同じ様な体験があります
小三の頃 親の事情から横浜から現在町・・祖母の居るとこへ
移り転校しました、
お隣に住んで居た同学年の友から教科書(特に国語)を借りて
母が丸写ししてくれていたものでした、
今の時代とは違い離れ離れになると容易に会えるものではない
時代を過ごしてきましたね。
Commented by yuriazami at 2012-11-01 21:27
こんばんは
偶然かなんなのか「白鳥の歌」がラジオから流れて
寂しさやいいろいろな想いが心をよぎったことでしょう。
お墓参りができて良かったですね。
Commented by 松風 at 2012-11-01 21:51 x
もう半世紀以上も前、高校生の時でした。
この歌を聴いて、昨日のことのように鮮やかに思い出しています。
物に不自由な時代でしたが、
気持ちのゆとりは今よりずっと多かったような気がするのですが。

年々、友人たちも少なくなって同窓会も中止となりました。
Commented by 松風 at 2012-11-01 21:56 x
yuriazamiさん、
昨夜は、深夜便でこの歌を聞いたことで、
すっかり目覚めてしまいました。

長く生きてきますと、当然思い出も多くなってきますね。
我が家のすぐ近くの墓地でMさんは眠っていました。
Commented by MOM at 2012-11-01 23:25 x
この歌の初めのところだけが記憶にあります。
でもだれかが歌っているのを聞いたことはありませんでした。
松風さんは素敵な偶然によく巡り会われますね。
松風さんにお墓参りしてもらえてMさんきっと喜んでくださいましたよ。

またウェブりブログの調子が悪くブログが更新できません。
何とメンテナンスに4日もかかるそうです。
あの偶然の出会いの感動が薄れてしまいそうです。
Commented by 松風 at 2012-11-02 14:53 x
MOMさん
牧水の短歌に曲をつけたものですが、
涙が出るほどかなしく美しい曲です。
戦後すぐのころの歌ですから、知らない人が多いでしょうね。
深くなる秋にセンチメンタルになっています。

パソコンが早くご機嫌になりますように。
MOMさんのお頭にしっかりとインプットしておいてくださいね。
忘れられるのは淋しいですもの、、、。
Commented by MOM at 2012-11-02 15:20 x
次回お目にかかった時にはぜひ歌ってくださいね。
楽しみがまた増えました。
なんならEPOMさんとはもっていただいても・・・
Commented by 松風 at 2012-11-02 17:37 x
MOMさん、
私が歌うことは、牧水さんにも古関裕而さんにも
恐れ多いことですから、
YouTubeで「白鳥の歌」 (藤山一郎、松田トシ)を聴いてくださいね。
松田トシさんはHNKうたのおばさんを務めた方です。
Commented by reiko-pink-rose at 2012-11-02 22:50
こんばんは☆
歌を聴くと、その時代の事がいろいろ思い出されますね。
うたのおばさんは知っているのですが、
白鳥の歌は知らなかったので、YouTubeで早速聴いてみます。
Commented by fuchan_k at 2012-11-02 23:23
歌詞を見せて頂いたとたん、私も唄える!と思い出しました。
空の青 海の青にも そまずただよう・・・ここが好きです。

教科書のお古、使ったことあります。
それをまた、近所の子が使ったりしました。
恩ある方のお墓参りができて良かったですね。
Commented by 松風 at 2012-11-03 15:49 x
reiko-pink-rose さん、
古い歌ですから、知らない方は多いでしょうね。
偶々牧水夫人が同郷でお話を聞いたり、
ラジオから流れる歌に当時の女学生は惹きつけられたのでしょう。

とてもきれいな歌ですから是非お聞きになってくださいね。
Commented by 松風 at 2012-11-03 15:58 x
fuchan_kさん
歌える方が見つかってほっとしました。
多分藤山一郎の歌をお聞きになったのでしょうね。
近頃の歌には付いていくことが出来ず、ただ昔を懐かしく思い、
今の若者が聞いたらどんな反応が出るのか知りたいものです。

教科書の使い回し、これもエコと言われそうですね。
古いお話でございます。

今日、マラソンでジージさんらしきお方を見ましたが、
とてもお声をかけることなどできませんでした。
写真を撮ってきましたが、確認中です。
Commented by すいれん at 2012-11-03 23:35 x
こんばんは~。
年齢を重ねてくるとその分だけ心にもいろいろあるものですね。
言葉にはならないような想いが・・・・・。
それが何かの拍子にふいと浮かんでくる、お気持ち、よくわかります。

牧水、いいですね。
「幾山河・・・・」は中学生の頃からずっと心にある歌です。
ただ、曲がついて歌われているのは知りませんでした。
Commented by 松風 at 2012-11-04 18:33 x
すいれんさん、こんばんは。
若いころのようなよい思いは年々少なくなっていきますね。
これも仕方のないことですが、
歳と共に淋しく哀しいことが重く心に残るようになりました。
自然に静かに受け止めようと覚悟しています。

牧水夫人が同郷で女学校時代の大大先輩でした。
牧水についてお話を聞いたことがありましたが、
素晴らしい歌を残す特異な歌人と連れ添うことは
並大抵ではなかったようですね。

よろしかったらYouTubeでお聞きになってください。
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