かっては青々と茂ったキャラボクの木は、
枯れてもなお凛々しく立ち誇っていました。
藤間柳庵(とうまりゅうあん)屋敷跡を訪ねました。
関心もなく、近くなのに通り過ぎるだけの場所、
それなのに何故か突然に行ってみようと思い立ったのです。
そっと屋敷内を覗くと、ちょうど当主ご夫婦がいらっしゃいましたので
突然の見学をお願いすると快くご承知いただき
その上、奥様は詳しい説明までしてくださいました。
品良いお顔だち、穏やかな物腰、内から滲み出る聡明な話しぶりに、
こういうお方がいらっしゃるのだと見惚れて、
夕方の時が過ぎるのも忘れていました。
広大な敷地も今はごく一部だけと言われる屋敷跡は
ざっと見る限りでも四、五百坪はあるでしょうか
老いたご夫婦での管理のご苦労はさぞかしと思いながら
おいとましました。
振り返ると、
枯れたキャラボクと相対して河津桜の大木は盛りを誇っていました。
ふとした思いつきに安らぐ出会いがありました。
誰も通らない夕暮れの道端にお稲荷さんでしょうか
”キャラボク”と”イチイ”の区別がつかないのです。
ネット検索しでは↓のように出ましたが
やっぱり解りませんねえ。
キャラボク
イチイ