まだ若木ともいえるひょろりとした木に咲く桜
晴れた日には華やかに見えるはずの桜は
降り出しそうな空の下で もの悲しげに咲き始めました
「大寒櫻」とあります。
冷たい空気の中で凛として咲く紅梅
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世の中に似た人が3人いると聞きます
過日、北鎌倉駅ホームに老婦人の姿があった
銀髪に真っ赤なコートを召し杖を持ち背筋をすっくと腰を下すその人は
90を過ぎているのだろうか
母がいる!
亡き母にそっくり、こんなにも似た人が世の中にいるなんて、、、
色白で肌のきれいな母だった
このご婦人のようにおしゃれでモダンな母ではなかったが
お顔を一回り小さくすれば母その人、
離れたところから失礼とは思いながら、しげしげと見つめてしまった
不審に思われたのかどうかは解らないが
立ち上がり杖を使いながらホームの端へゆっくりと歩いて行かれた
娘の私が云うのもなんですが
母は美しく几帳面で大変気性の強い人だった
真っ白になっても髪の乱れを嫌い、いつも”つげの櫛”を懐にしていた
女学校に通う母の姿を父が見染めて猛然とアタックしたと
親戚の者から聞いたことがあった。
亡き弟一人が母に似て
残った娘三人は父側になったことを
今でも茶飲み話に愚痴を云い嘆いている
世の中は常に儘ならぬものらしい